2018年8月28日火曜日

ドラえもん号に跨がって 昆虫放浪記 台湾編 〜線から点へ〜 その9

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線から点へ

美味しい朝食をいただいたあと、
墾丁国家森林遊楽区へ行くことにした。


ホテルから墾丁国家森林遊楽区まで歩いておよそ1時間以上かかってしまいそうなので、(google mapのピン留が泊まったホテル、ブックマークが墾丁国家森林遊楽区)
どうしようかと頭を抱えていたわけである。

仮に歩いたとして、たどり着くのが目的になってしまい、虫の写真を撮るのが疎かになってしまうのではないかという懸念があった。
さて、どうするか。


電動バイク...?

ホテルに入る前に出会ったレンタルバイク屋の兄ちゃんから借りるとするか。


台湾編の題名を「線から点へ」としたのは以下のような理由である。
虫の撮影をするにあたり、僕は線での移動をしてしまうことが多かった。
「とある虫が生息する場所まで歩くこと」自体が目的になってしまい、歩いたことによって「とある虫が生息する場所での撮影」を行う体力がなくなっていた。
これでは何のために虫を撮りに来たのかわからなくなってしまう。

その例がこちら。マレーシア編でのひとコマ。

まあ
見知らぬ土地を自分の足で歩き続けるというのも悪くはない。

だが今回は線での移動は止めて点での移動を中心にし、虫を撮ることに集中した次第である。


ドラえもん号に跨がって

台湾では中国語版の新旧二つのドラえもんが朝から放映されている。
何を言っているのか全くわからないにも関わらず内容が入ってくるから小さいころから見ていたアニメの力はすごいものであるよ。


墾丁国家森林遊楽区の開園時間が近づいて来たのでホテルを出る。
昨日いたバイク屋の兄ちゃんは朝がまだ早かったのか、不在。

歩いて行こうかなと少し考えていると、『殺人の追憶』とか『グエムル -漢江の怪物-』に出てるソン・ガンホという韓国の俳優に似たおっちゃんに声をかけられた。

殺人の追憶(字幕版) - ポン・ジュノ

「兄ちゃん電動バイク借りるか?」
「おいくら?」
「夕方6時までで500元、9時までで600元」
「ほな6時までのにしとくわ」

と言って500元支払うと、
運転免許証かパスポートある?と聞かれたので、免許証を差し出すとバイクの身代わりとして取られてしまった。

「チョットマッテロ」
とおっちゃんは日本語で言い放ち、どこかへ消えた。

しばらくして、おっちゃんはドラえもんのシールが貼られた電動バイクに跨がり戻って来た。


明らかに他のバイクと比べてボロいのであるが、
まあドラえもんだからいいか、と自分に言い聞かせた。

おっちゃんに乗り方をレクチャーしてう。
原付的なものは久しぶりに乗るのでエンジンを吹かせたときの勢いに少しビビる。
よたよた進んでいたので、僕の後ろでレンタル待ちをしていたカップルに笑われてしまった。


バツが悪かったので、
「じゃあ行ってくるわ」と
ちょっとカッコつけてその場を去った。

体を馴らすために懇丁の大通りをぐるぐる走った。
走ってるうちにやたら風が耳に響くなあと思ったが、そういえばヘルメットを貸してもらっていなかった。

おっちゃんのバイク屋を通り過ぎると、
後ろに並んでいたカップルは綺麗なバイクとヘルメットをそれぞれ貸してもらっていた。


つづく




2018年8月19日日曜日

トイレでトラブったので筆談をしてみた件  昆虫放浪記 台湾編 〜線から点へ〜 その8

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トイレ行きたい

トラブルが起きた。
ホテルのトイレの扉がずっと閉まったままなのである。

トイレは共同で、4カプセルルームごとに1つシャワーとトイレがついている。
夜にトイレに行こうとすると毎回誰かが入っている。
10分ごとにトイレを覗き込んでも空く気配がない。
何かがおかしい。腹の調子もおかしい。

僕はトイレをノックした。
返事がない。
流石にドアノブをガチャガチャやれば返事するだろうと思い、
試みるもうんともすんともしない。

腹が限界に近づいていたので、別の部屋のトイレで用を足した。

部屋に戻った。
鍵が壊れている説を僕は考えた。
思い当たる節があった。

僕は数時間前、トイレのドアを開けた。
ものすごい勢いで中から閉められた。
用を足している最中の人がいるのに扉を開けてしまうという粗相を僕はした。
こりゃ失敬。

実際にトイレに入って鍵を閉めてみると、閉まってるのかそうでないのかがよくわからなかった。
鍵はスライド式のものではなく、回すタイプのもので、
鍵を回すはいいがドアノブを普通に引っ張るだけで扉が開いてしまうという状態であった。

常に誰かに扉を開けられる恐怖と戦いながら用を足さなければならなくなっていたのである。


鍵は壊れていたのだ。

夜明けの筆談

午前5時ごろに目が覚めた。
トイレへ行くと、案の定鍵はかかったままであった。

これは流石に誰かが篭ってるはずがないので、ホテルの人に話そうと決意。
英語で話しても伝わらなさそうなので、漢字で筆談すれば案外伝わるんじゃないかと思ったので、実践する。

一応トイレを中国語でどう書くかだけ、Google先生に聞く。
「洗手」とな。

メモ帳に
「洗手 鍵 壊?長時間 閉」
と書いて、ホテルの受付の兄ちゃんに見せた。
一応トイレまで行き、壊れてるよと説明。

バイトで雇われてる感じの兄ちゃんで、夜勤で眠たかったからなのか、
「違う部屋のトイレ使いなよ」
とだけ言われた。

うん、まぁ、いっか。


つづく



2018年8月11日土曜日

バイク借りないか? 昆虫放浪記 台湾編 〜線から点へ〜 その7

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バイク借りないか?


墾丁に到着し、バスから降り立った。
後ろから声がする。
中国語で何か言っており分からないので無視した。
英語でエクスキューズミーと言われたので振り返る。
バイクに乗ったおばちゃんだった。

バイクに乗ってるはずだが、エンジンの音がしない。

台湾で不思議に思ったことの一つが、エンジン音のしない原付が道路を走っているということだった。
エンジン消して足で蹴りながら走ってるのかと思ったがよくよく観察してみると蹴った様子が見られなかった。

おばちゃんにバイクを借りないかと聞かれた。
免許が無いと答えると、電動バイクならば無くても大丈夫だという。
なるほどそういうことか。
音のない原付は電動バイクだったのだ。

今日はホテルに行ってダラダラするだけだと伝えるとおばちゃんは去っていった。

基本的に僕はカモにされやすいのかもしれない。


セールストークをされるとついつい買ってしまう。
マルチ商法だとかそういうものに捕まって抜け出せる自信はあまりないのであるよ。


墾丁の街を少し歩き、ホテルの目の前にたどり着いた。入口が謎だったので立ち往生していると、ホテルの人らしき兄ちゃんがこっちだよと声をかけてくれ、案内してくれた。

案内しながら、バイク借りないか?と聞かれた。ホテルの人ではなく、向かいのレンタルバイク屋の兄ちゃんだったのだ。
今日は借りないよと伝えると、借りたくなったら声かけてとのこと。

うむ。多分借りない。


南国の楽園

ホテルの名前は「Kenting My Home」だった。
カプセルホテルではあったがタコ部屋のようなのではなく、なかなかおしゃれな内装で鍵もかかる部屋であった。お値段もリーズナブル。しかも朝食付き。

少し疲れていたのでテレビでも見ながらくつろごうかと思ったが、案外その時間がもったいないと感じだので、街へくり出すことに決めた。


屋台が賑わい始める時間帯だ。
屋台飯もいいが今日はゆっくり食べたかったので中華料理店へ。
何を食べたかはまた後日の記事で台湾料理特集っつうことでまとめて書こうかと思う。


夕飯後、近くの浜辺で一休み。
その辺の砂浜に腰を下ろし、夕日を眺めた。


誰かと一緒に眺める異国での夕日も良いとは思うが、一人で眺める異国の夕日もなかなか良いもので、そういえばあいつ今何してんのかなとか色んな人に思いを馳せたりした。


再び街へ戻ると、屋台が大賑わい。
懇丁には3泊したが、連日屋台は大賑わいで毎日がお祭りのようだった。
それでいて人が多すぎず、かといって少なすぎず、ちょうど良い多さであった。

「ゆったりした時間」というものがそこには確かに存在した。



つづく