2013年11月24日日曜日

『かぐや姫の物語』

『かぐや姫の物語』  2013


監督

高畑勲


脚本

高畑勲
坂口理子


朝倉あき
高良健吾
宮本信子


始まった瞬間から絵がすごい。
1カット1カットが
これ絵として売られてたら売れるんじゃないの?
って思うくらい。
まさに動く絵本。
野山の木々の美しさとか、ちゃんと木の影までも表現されてて。
都のでのシーンも艶やかな感じで綺麗だったけれど
やはり野山のシーンの美しさには及ばなかったと思う。
内容がそういう風だったから余計にそうなのかも。


今までありそうでなかったアニメーションだった。
「頭山」だとか短編のアニメーションでは
絵本みたいなものはあったけど
長編はなかったんじゃないかな?
まあお金もかかるし手間もかかるっていうのはあるんだろうけれど。

声も俳優ばっかりだったけど
全然違和感なくてみんな上手だったと思う。


内容に関しては
竹取物語にそっていた。
よくよく思い返したら
自分は果たしてちゃんと竹取物語の内容を
勉強してきたのかな、という気持ちになった。

こんなにエグい話だっていうのを初めて知った。
出生欲だとか外見でしか判断しないところだとか
そういうのをかぐや姫は見抜いていたんだと。
翁もただのいいおじさんっていうわけじゃなくて
かぐや姫を利用して出世しようとする人間臭いところもあったりで。

かぐや姫が帰るところはないと悟ったところだとか
捨丸と一緒に空を飛ぶシーンが印象的。
捨丸は妻と子供がいるくせにって思ったけど、
かぐや姫はそのことをわかった上で夢を見せたんだと思う。
本当に捨丸に想いを告げるのであれば
あえて捨丸に夢を見せる必要もなかっただろう。

ちょっと求婚のくだりが長かったかも。
そんで帝のアゴ長っっ

結局かぐや姫が地球に来たはっきりとした理由ってのが
わかんなかったんだけど
月では恐らく汚れたものを嫌っている。
地球は汚れているからそれを教えるために
かぐや姫を地球に行かせたって解釈した。
人間は汚れた部分もあるけれど
美しい部分もある。
そういうのをひっくるめて人間なんだなってことを思った。
それが如実に現れてたシーンが
かぐや姫が庭の石をめくるとムカデやらなんやらが
わなわな出てくるシーン。
そういうのを言葉で語るんじゃなくて
映像で見せてたところがすげーなと思いました。


竹取物語がこんなに深いものだったとは。
ぜひ日本の神話についてもこんな感じでアニメ化してほしい。
比べるもんじゃないのかもしれないけど
「風立ちぬ」より良かった。
でもスタジオジブリは大御所二人が抜けたらどーなんの?
ってのがちょっと心配。


頑張れ若手!!








2013年11月23日土曜日

『マーダー・ライド・ショー』

『マーダー・ライド・ショー』  2003





監督  脚本



ロブ・ゾンビ





出演



カレン・ブラック

マイケル・J・ポラー





結構ぶっ飛んでた映画だった。

内容なんてあってないようなもんだったけど。

とりあえず人が殺されるばっかりな話。



普通の映像だけだったら本当にただ

人が殺されるのをずっと眺めるだけの映画なのに

かなり小道具とかにこだわりがあった。

映像表現もなかなかすごかった。

ネガポジ反転とかモノクロフィルムの感じとか

独特の粗めな画の感じとか。



ただ単に物語が進むんじゃなくて

ちょいちょい怖い映像挟んできたりしてて

結構面白かった。



なんだかんだでホラー映画が

一番面白い表現をしてるっていうか、

綺麗なものとか汚いものとかをごった煮で表現する

ジャンルじゃないかなと思う。

ギラギラしてる。



多分ギラギラした表現が日本映画には少ないと思う。

大抵の邦画はおとなしいのが多い。

もっとギラギラしようよ。






2013年11月15日金曜日

『THE JUON/呪怨』

『THE JUON/呪怨』  2004


監督

清水崇


脚本

清水崇
スティーヴン・サスコ


出演

サラ・ミシェル・ゲラー
ウィリアム・メイポーザー


サム・ライミが製作総指揮のリメイク版呪怨。
襲われるのが日本人じゃなくなった、ってのが大きな?変更。

はっきり言って
オリジナル劇場版とあんまり変わってない。

確かにとしおくんとかやこさんはちょっと不気味というかちょっと怖い。
けどなんか出てくるタイミングを効果音で親切にも
知らせてくれちゃってたり、
カメラが明らかに怪物目線だったりで、
演出がちっとも怖がらそうとしていない。

そもそも静かな画面でいきなり大きな音だしたら
誰でもびっくりするわけで、
そういう演出にしか頼れないホラーはだめだと思う。
『着信あり』はこんなのばっか。

観客を怖がらせようっていうのなら
役者の背後にカメラを設置しといて、
役者目線にすることでしょ?

この壁の向こうとか扉の向こうにいるんじゃないか、って思わせるのが大事だと思う。
いるかどうかわからないから怖く感じるわけで
絶対に怪物目線のカメラは多用しちゃいかんなと思う。
いるってわかっちゃうんだもん。
効果音までつけちゃってるし。
結局としおくんとかやこさんの造形に頼ってるだけ。
展開遅いし早くしろって感じね。